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メーカー評議員のご紹介

メーカー評議員のご紹介

メーカー評議員は、ジャパニーズウイスキーのつくり手の皆さまで、日本ウイスキー文化振興協会の主旨にご賛同いただき、ジャパニーズウイスキーの定義の法制化と、ジャパニーズウイスキー文化の振興のため、ご協力いただいている方々です。

※ 蒸溜所名の50音順に掲載しております

宇野 浩幸

Hiroyuki Uno

相生ユニビオ株式会社 碧南蒸留所

宇野	浩幸

Coming soon・・・

碧南蒸留所

HEKINAN

碧南蒸留所

・所在地:

愛知県西尾市下町丸山5番地

・オーナー企業(創業年):

相生ユニビオ株式会社

・創業(蒸留開始年):

1872年(2019年)

年間生産量は
わずか1万リットル

名古屋から名鉄線で1時間ほど行ったところにあるのが、碧南市の相生ユニビオ・碧南蒸留所だ。矢作川の河口近くにある碧南市は戦国時代から海上交通の要衝として栄えたところ。豊富な水と米を使って、昔からみりん造りで栄えたという。そのみりん造りを中心に行ってきた「相生味醂」と、焼酎製造の「愛知酒精工業」、そして清酒を手がけてきた「相生酒造」の3社が2004年10月に合併し、誕生したのが相生ユニビオ株式会社だ。相生とは「夫婦が共に長生きしてゆく」ことで、ユニビオはユニオン(共に)とビオ(Bios、生きる)を一語にしたもの。新会社の名前にふさわしいとして選ばれたものだという。
碧南蒸留所があるのは、同社の碧南工場内で、清酒蔵の中に、まるで間借りするような形で2022年11月にオープンした。相生ユニビオでのウイスキー造りは古く、戦後の1949年に免許を取ってスタート。しかし台風や洪水など度重なる自然災害に遭い、わずか4年で自社生産は断念。その後は海外原酒などをブレンドした地ウイスキー「レインボー」をリリースしてきた。その相生ユニビオが、閉鎖から70年近く経った2020年に、自社生産を再開したのが、碧南蒸留所だった。

碧南のワンバッチは325kgとマイクロサイズ。日に2回、650㎏の麦芽を仕込む。といってもマッシュタンは清酒造りで利用していたステンレスタンクで、ここでメッシュの布を使って麦汁を濾し取る。麦汁量は2回で約2700~2800リットル。これを1基の発酵槽に入れて発酵させるが、これは清酒用のタンクを代用。クーリングジャケットが付いているので、温度調整ができて理に適っているという。
碧南工場のメインの生産は清酒造りのため、ウイスキー造りは清酒の仕込みが終わってから。年間に仕込めるのは多くても52仕込みくらいで、造れても年間1万リットル(100%アルコール換算)が限度という。蒸留器もステンレス製のものが1基しかなく、これで初留も再留も行う。張り込むのは発酵槽1基分のモロミを2等分した1800~2000リットルだ。
もともと焼酎用のスチルだが、「内部に銅を仕組んでいる」というので見せてもらったが、ヘッドの下部に無数の小さな穴が開いた銅板が設置されていて、アルコール蒸気はその銅板を通る仕組みになっている。ニューポットのアルコール度数は58%くらいで、これを54%に加水して樽詰めする。
2024年10月に、自社蒸留の原酒を使った初めての「シングルモルトジャパニーズウイスキー一碧」が数量限定でリリースされた。一碧には「碧南の地で造られる唯一無二のウイスキーでありたい」との願いが込められているのだ。

村田 哲太郎

Tetsutaro Murata

MAOI株式会社 代表取締役社長 馬追蒸溜所

村田 哲太郎

MAOI株式会社 代表取締役社長。外資系企業勤務を経て、2015 年より全国各地の古民家再生に携わる。

馬追蒸溜所

MAOI

馬追蒸溜所

・所在地:

北海道夕張郡長沼町字加賀団体

・オーナー企業(創業年):

MAOI

・創業(蒸留開始年):

2017年(2022年)

ブランデーやグラッパも造る
ワイナリーに併設の蒸留所

 石狩平野を一望する絶景の地に建つ馬追蒸溜所。2021年11月に建物が完成し、2022年9月よりウイスキーの蒸留を開始した。 
 馬追蒸溜所の前身は2006年に設立された「マオイワイナリー」。僅か0.5ヘクタールという日本最小のワイナリーだったが、北海道自由グループが買収し、畑を13ヘクタール超に拡張。ワインだけでなく、フルーツブランデー、グラッパ、グレーンウイスキー、モルトウイスキーを造る計画で別会社を設立し、馬追蒸溜所を開設した。
 北海道自由グループはこのほかにも北海道自由ウヰスキー株式会社を擁しており、そちらでは札幌市真駒内にある紅櫻公園内に、ジンの蒸留所「紅櫻蒸溜所」をオープンしている。
 蒸留所名の「馬追」とは、蒸留所が位置する馬追丘陵のこと。アイヌ語の「マウ・オ・イ(ハマナスの実のあるところの意)」が語源で、この地に残るハマナスと一頭の馬にまつわる伝説から「馬追」と名付けられたのだという。蒸留所のシンボルマークには、その馬と、ハマナスならぬブドウの果実をあしらっている。 

蒸留所にスチルなどの蒸留機器が設置されたのは、2022年5月。フォーサイス社がプランニングから機器の製作まですべてを請け負った。建物の1階に、モルトミルからマッシュタン、そして2基のステンレス発酵槽までが収められている。
 ウイスキーの仕込みはワンバッチ麦芽200㎏。北海道産の「りょうふう」や、英国ポールズモルト社製のノンピーテッド麦芽を使う。マッシュタンはレイキのない簡便な物で、攪拌などはすべて手作業だ。スチルはフォーサイスとしては珍しいハイブリッドで、容量はワンバッチの麦芽から得られる麦汁、発酵液をそのまま投入できる1,000リットル。特殊なコラム塔が2つ付いており(精留塔とメタノール塔)、フルーツブランデー、グレーンウイスキー、グラッパの製造に用いる。モルトウイスキーはコラム塔を使わずに、単純に蒸留を繰り返す2回蒸留だ。
2022年9月下旬からは、北海道産トウモロコシを使ったコーンウイスキーの仕込みも開始した。年間仕込み回数はモルトとグレーン合わせて60回程度になる予定で、約6,000リットル(平均アルコール度数67%)の生産を見込む。
 熟成は、ワイナリーの前オーナーが核戦争を憂慮してつくったという地下シェルターで行う。山の斜面に掘られたシェルターは、中がコンクリート製で小さな体育館ほどの広さ。ラック式で300樽ほど貯蔵できるという。
 蒸留所には、大きな窓から雄大な眺めが楽しめるテイスティングルームもあり、馬追のワインのほか、紅櫻蒸溜所のジンなども試飲・購入することが可能だ。

木内 芽生

Megumi Kiuchi

木内酒造株式会社 海外事業部 ゼネラルマネージャー

木内 芽生

日本女子大学 卒業
2020年 木内酒造株式会社入社
海外事業部として、40か国にのぼる世界各国に常陸野ネストビールはじめ日の丸ウイスキー等木内酒造商品を輸出。

八郷蒸溜所

YASATO

八郷蒸溜所

・所在地:

茨城県石岡市須釜1300-8

・オーナー企業(創業年):

木内酒造株式会社

・創業(蒸留開始年):

1823年(2020年)

クラフトビールの先駆者
でもある老舗酒蔵の蒸留所

 筑波山の威容を西に望む石岡市八郷地区。のどかな里山風景が広がるこの地で、2020年より稼働を始めたのが八郷蒸溜所だ。運営する木内酒造は、清酒「菊盛」をはじめ、焼酎やリキュール、ワイン等を造る1823年創業の老舗蔵。1996年にはビール事業にも参入し、同社が展開する「常陸野ネストビール」は今や世界各地でその名を知られる。
ウイスキー造りは、そのビールを製造する額田醸造所にハイブリッド式のスチルを併設する形で2016年よりスタートした。当初は発酵までの工程をビール製造と兼ねていたが、本格的なウイスキー造りに向けて八郷地区の広大な敷地に建つ古い公民館をリノベーション。現在の蒸留所を新設した。

 八郷蒸溜所が目指すのは、様々な可能性を追求した、日本の蒸留所にしかできないウイスキー造り。大麦麦芽のみならず、地元茨城県産を中心とする国産の小麦や米、蕎麦などを使った仕込みを試している。
そのためマッシュタンが独特で、糖化槽と濾過器が別々の仕様になっているのが特徴だ。糖化槽はドイツのチーマン製で、濾過器はブリッグス製のロイタータン。ビール造りの知見を活かして導入したこれらの設備は、糖化工程での細かな温度管理ができるうえ、表層を使用しない濾過も可能なため、多様な穀物での仕込みが可能になる。
発酵槽は、イタリア・ガルベロット社の、スラヴォニア産とフランス産オークのミックス材が2基、フランス産アカシア材が2基。そして、屋外に設置されたドイツ・チーマン社のステンレス製が4基。木製の発酵槽には5,000リットルの麦汁を、ステンレス製には10,000リットルを張り込んで発酵を行う。酵母はディスティラリー酵母のほか、自社で培養したオリジナル酵母を使用。1週間ほどかけて発酵を促す。
 ポットスチルは初留も再留もフォーサイス製のストレート型。初留は10,000リットルを約12時間かけて蒸留し、再留は6,000リットルを約8時間かけて蒸留する。
 さらに2022年にはドイツ製のハイブリッド式スチルも増設しており、これを使ったグレーンウイスキーの製造も予定している。いずれは原料の穀物から酵母にいたるまで、全て地元産にこだわった茨城発のウイスキーを八郷の地から発信するつもりだ。

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